私は、結婚を機に美幌町で有機栽培をしている一戸農場で暮らすことになりました。初めて一戸農場の野菜を食べた時は、そのおいしさに感動しました。子どもたちに安心して食べさせられ、おいしく食べてくれる野菜は子育ての強い味方です。
でも、その野菜たちが地元であまり流通していないことを知りました。有機栽培の野菜は地元ではなじみがないなど理由があるのですが、消費者の方との産地交流などもある中で、近くのお店で気軽に買えないのはもったいないな、と思うようになりました。
「私に何かできることはないかな」と思っていたところ、地元の小売店からも取り扱いをしたいというご要望をいただきましたが、農場ではお店への納品に手が回らなかったこともあり、私が事業として始めようと思ったのが「いちのへや」を作ったきっかけです。
一戸農場は、有機栽培で草取りなどの手間がかかる中、もっとおいしい野菜を作ろうと努力しています。そして一戸農場だけではなく、美幌町やオホーツク地方には日々力を注いで野菜を作っている生産者さんがたくさんいることを伝えていきたいと思います。私は家族として生産者に近いところにいると同時に、家族のご飯を作る人として、消費者にも近い立場にいます。「地元で作ったおいしいものを食べたい、食べさせたい」という身近な女性の声を、生産者に届けることもできます。地元で丹精込めて作っているものを、一番身近にいる地元の消費者に食べてもらいたい。食という身近なものを通して、生産者と消費者をつなげる役になれたらと思っています。
主婦だった私が思い切って起業をしました。大変なこともありましたが、それ以上に楽しんで取り組んでいます。「いちのへやの野菜はおいしいね」「応援しているよ」という皆さんの声が、とても励みになっています。農業をしている女性や農家のお嫁さんともつながることができ、熱い想いを知ると、自分も頑張りたいなと思えました。「主婦だけど何かやってみたい」「地元で働きたい」「美幌町に移住してチャレンジしたい」などさまざまな思いを持った女性を、今度は私が「いちのへや」を通して応援したいです！
